ARTIST

松尾 たいこ

アーティスト/イラストレーター 松尾 たいこ Taiko Matsuo

PROFILE

10年間の会社員生活を経て、32歳で上京。セツ・モードセミナーにて本格的にイラストを学び、35歳でイラストレーターとして独立。第16回ザ・チョイス年度賞、鈴木成一賞受賞。広告、CDジャケット、書籍の装画、雑誌など、幅広い分野で活躍。2014年より「千年陶画」プロジェクトで陶器の制作を始める。現在、東京・軽井沢・福井の3カ所を拠点に活動中。
公式サイト→https://www.taikomatsuo.com

CONCEPT

私は約10年前、日本で最も有名な神社である伊勢神宮と、関連する125の神社を訪れ、その経験を描いた本を出版しました。そしてこれらの神社の神々が登場する古代の日本神話にも興味を持ち、今までに200以上の神社を訪れました。この経験を通して、森羅万象のすべてのものに神が宿るという日本古来の概念を受け入れるようになりました。
また、縄文土器の原始的な形、琳派の豊かな意匠性、江戸時代の浮世絵に描かれた平坦な風景などからもインスピレーションを得ています。
ファッションが大好きで、作品の中に美しい模様や色を使いたくなります。美しい色の層を重ねて世界を愛で満たし、私たちは一人ではないという事実を表現したいと考えています。

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    越前の土を適量取って丸める

    私が使うのは福井・越前で取れる土。
    焼くと茶色くて素朴な風合いになるところが気に入っています。
    私はゴツゴツとプリミティブな感じが好きなので、一番荒いタイプの土を使います。

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    ひたすら練る

    空気を抜くことと土を扱いやすく柔らかくするのが目的です。

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    大まかなかたち作り

    原型を作っていきます。
    中はくり抜いて、均等な厚みにしていきます。
    こうすることで、粘土が乾きやすくてやくて、焼いた時にも割れにくなります。

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    かたちを作り上げる

    回転台の上でくるくる回しながら、前からも横からもかわいくなるようにバランスを取っていきます。その後、「かきべら」などでいらない粘土を削ったり、足したりしていきます。

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    線を入れて仕上げていく

    「線かきべら」を使って、尻尾や目を描いていきます。
    そして、少なくとも一週間くらい乾燥させます。急激に乾かすとひび割れの原因になるので、ゆっくり乾かします。乾燥が激しい時期には、発泡スチロールの箱に入れて蓋を少しだけずらしたり、濡れタオルをかけたりして調整します。

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    1回目の窯入れ(素焼き)

    1回目の窯入れは、1000℃以下の低い温度で素焼きします。
    窯の温度を徐々に上げていき、熱を冷ましてから取り出すために3日間ほどかかります。

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    彩色あるいは釉薬をかける

    素焼きしたモノに、色をつけます。
    素焼きした作品を目の前にすると、「あ、この色がいいな」ってどんどん色のイメージが膨らみます。

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    2度目の窯入れ(本焼き)、完成

    2度目の窯入れ(本焼き)は、3日間かけて1000℃以上の高温で焼きます。10℃ぐらいの温度差でも仕上がりに違いが出る繊細な作業です。こうして、とっても丈夫な越前の土で作った作品が完成!荒い土のプリミティブさと私の持ち味のポップさが共存しているところが好きです。

    はにわ風やチョコレート色など、同じ形なのに釉薬の違いで全然雰囲気が変わってくるところがおもしろいなあと思います。
    見る角度によっても、とぼけてみえたり、りりしくみえたりするのも立体ならではですね。
    窯を開けて、割れもせず満足いく作品がちょこんとお出迎えしてくれた時には、やったー!と飛び上がりたくなるぐらい嬉しいです。

松尾たいこさんの陶芸作品には、「可愛さ」と「素直さ」と「柔らかさ」があります。作品を手に取って触れてみると、その全てを体験することができます。土の風合いを消すことのない温かい雰囲気で、まるで最初からそこにあったようにインテリアの一部に溶け込んでしまいます。使う色は、松尾さん特有の組み合わせです。見ているだけで湧き上がってくる慈しみの心と、穏やかな安らぎの心が自分自身を癒してくれます。陶器という、古風な装いの中から滲み出てくる新風は、香気すら感じさせてくれます。周りの空気を一瞬にして柔らかく、温かくしてしまう作品をあなたのお部屋に置いてあげてください。一つ一つの手作りに込められた、松尾さんの思いを皆様にぜひ、触っていただき、感じていただき、受け取っていただきたく思います。

Pottery Artプロデューサー 鈴木幸一

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